新町建設計画 (案) 2P
3.大飯町と名田庄村の地域特性からみた合併の意義
(1)少子高齢化への対応
国立社会保障・人口問題研究所の平成15年12月推計によると、大飯町も名田庄村も、急速に65歳人口の割合が増加することが予測され、2030年の高齢化率は、大飯町が32.51%、名田庄村が37.41%になっています。少子化による生産人口の減少が予測されており、2030年の生産人口率は大飯町で54.41%、名田庄村で50.05%とされています。このような状況を踏まえて超高齢社会に対応したまちづくりが求められており、行政サービスの充実や専門的な人材の確保などが可能となります。

(2)健康増進と医療体制の充実
保健や医療の面では、大飯町と名田庄村の住民が健康で明るい生活を送れるよう、大飯町に建設される保健・医療・福祉総合施設と名田庄村に整備された「あっとほ〜むいきいき館」の機能充実と連携が可能になります。また、医療の高度化を推進するとともに、年齢に応じた健康増進のための機会を提供し、住民の健康意識を啓発することができます。

(3)道路交通網の整備
舞鶴若狭自動車道の大飯高浜インターチェンジの開設に伴い、関西方面への交通の利便性が向上したことから、両町村における道路交通網の整備を促進します。

(4)地域資源の活用
大飯町、名田庄村ともに豊かな自然に恵まれ、景観や産物を活かした取り組みが実施されています。こうした地域資源の共有だけでなく、山の持つ良さ・海の持つ良さを活かした施設やイベントを連携し、滞在型の取り組みを促進することが可能になります。

(5)地域を支える人材育成
大飯町と名田庄村は、穏やかで美しい海岸線と豊かな恵みを生み出す山林を有し、自然の恩恵を多く受けています。このような環境に恵まれた土地柄を維持し、他の地域では提供できない、若者が生活しやすく安全で安心して家庭を築ける社会づくりを進めることが求められており、心身ともにのびのびと活力に満ちた人材の育成や将来を担う青少年を確保する場が構築できます。

(6)行財政運営の効率化と住民サービスの向上
大飯町と名田庄村が一体となり行政基盤の安定化を図るには、それぞれで進めている共通した事務事業を一元化するほか、それぞれの特色を最大限に相互活用し、人件費や共通経費を削減するなどスリムで効率的な行財政運営を推進することができます。また、個々の分野に精通する職員を養成し、住民サービスをより一層向上することが可能となります。
第2章  両町村の現況

1.両町村の概要

(1)両町村の地勢と沿革
@ 地 勢
大飯町と名田庄村は、福井県の南西部に位置し、西は大飯郡高浜町、京都府綾部市、南は北桑田郡美山町、東は小浜市、滋賀県高島市に接しています。面積は大飯町68.17ku、名田庄村143.83 ku合わせて212 kuです。そのほとんどを中山間地が占めています。
大飯町と名田庄村の水系は、京都府県境を主な水源とする佐分利川水系と南川水系が西から東へ向かって流れ、小浜湾に注いでいます。また、大島が青戸の入り江を挟んで北に位置しており、青戸大橋によって結ばれています。
山地では、西側の京都府との県境に標高871mの頭巾山(とうきんざん)、南側には標高800mの八ヶ峰(はちがみね)、東側の京都府・滋賀県との県境には標高776mの三国岳(みくにだけ)があり、大島には標高478mの和田山(わだやま)があります。
居住地は、佐分利川沿いから海岸部に向かって開けた平野、南川とその支流沿いの平地、大島の小浜湾岸の平地にあります。
主要な交通手段は、JR小浜線、国道27号、国道162号、主要地方道小浜綾部線、主要地方道坂本高浜線、県道赤礁崎公園線、県道染ヶ谷小倉線等が整備されています。また舞鶴若狭自動車道の大飯高浜インターの設置に伴い、関西方面との交通の利便性が大幅に向上しました。

A 沿 革
ア.大飯町
明治22年の村制施行により、佐分利村、大島村、本郷村、加斗村が発足しました。昭和30年1月に加斗村長井が本郷村に編入され、その後佐分利村、大島村、本郷村が合併し、大飯町が発足しました。

イ.名田庄村
明治22年の村制施行により、南名田村と奥名田村が発足し、南名田村は明治24年に知三村に改称されました。昭和30年1月に知三村と奥名田村が合併し、名田庄村が発足しました。


2.人口・世帯数の推移
(1)人口・世帯数の概要
住民基本台帳によると、両町村を合計した人口は、平成12年9,651人であり、年々減少し平成16年9,419人となっています。
また、世帯数は平成12年2,962世帯でしたが、平成16年3,025世帯となり、増加傾向を示しています。1世帯あたりの平均人員で見てみると、核家族化の進行とともに、平成12年の1世帯あたりの人員は3.26人でしたが、平成16年3.11人となり、0.15人の減少となっています。


(2)人口動態
大飯町と名田庄村を合計した人口動態については、平成12年以降、死亡数が出生数を、転出数が転入数を上回っています。特に、平成15年と平成16年は両町村ともに、死亡数が出生数を、転出数が転入数を大きく上回ったため、人口の減少幅が大きくなっています。
大飯町では出生数には波があり死亡数は増加傾向となっています。名田庄村では出生数は減少傾向で、死亡数には波があります。
転入数と転出数は、両町村ともに横ばいで、平成12年以降、毎年、転出数が転入数を上回っています。


(3)年齢別人口
年齢別人口を3区分の推移でみると、大飯町、名田庄村ともに年少人口(0〜14歳)が減少しています。一方老齢人口(65歳以上)は増加しており、少子高齢化が進行していることがわかります。
平成16年における年少人口割合の県平均値14.84%と比べ、大飯町は1.18ポイント上回っていますが、名田庄村は1.31ポイント下回っています。
また、老齢人口割合の県平均値22.14%に対し、大飯町は1.15ポイント、名田庄村は7.55ポイント上回っています。






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